治ゆ期間ってなに?
身体の修復作業の仕組み
ケガをして体内に傷が出来ると、その傷を中心に【炎症】が生じます。
この炎症が「腫れ」や「痛み」を作ります。患者さんにとって辛い症状を作る犯人が【炎症】です。
しかしこの【炎症】は悪役ではありません。炎症は傷を修復させる為の反応の1つです。
傷の周辺に生じた炎症は建築現場の「足場」という骨組みの役割を果たします。
この骨組みを利用して傷ついてしまった部分に、修復に必要な物資を作業員が組み立てて傷が埋まって行きます。
では炎症が強ければ強いほど良いのか?それは違います。
痛めためた後の適切な管理が出来ないと、過剰に発生した炎症は逆に修復現場の混乱を招いてしまいます。
それが原因で痛みが増えたり、修復が遅れることがあります。
その為ケガをした直後は、アイシングなどの処置を行い適切な炎症にコントロールする必要があります。
ケガの後遺症を防ぐために『治ゆ期間』の間は身体をしっかり労わりましょう!
【炎症】はケガによって異なりますが、一定期間傷周辺に留まり修復をサポートします。しかしその期間に通院をしなかったり、無理に動かし続けてしまうなど治療環境が不十分だと、修復されていない段階で工事のための「足場」がなくなってしまい、不完全な修復で止まってしまいます。
痛みが落ち着いたからといって早期に通院をやめてしまったり、
先生の指導を無視して患部をむやみに動かしてしまうと、
後遺症が残ってしまいます。
後遺症が残ると、
・以後慢性的に痛みが続く
・他の症状の原因となる
・年を取った際に変形し手術が必要になる
・スポーツ時のパフォーマンス低下
これらの後遺症のほとんどは初期の治療不足が原因です。
1つの目安として腫れがある間にしっかり治療を行い、適切な環境を作る。これはケガを治す上での大原則です。
治ゆ期間は「治る」目安ではなく、【治す】目安期間
初期対応をしっかり行い後遺症や障害を残さず治しましょう。